いつも言うPAとレコーディングも違うのですが、このスタジオ、ライブ、この2つも違います。似て非なるものです。
ライブレコーディングは、一つのライブを録音するので機材が止まらないようにすることが第一前提です。そしていかにセッティングをすぐに済ませて録音できるようにするか。これが大事なのです。もちろん、音質も大事ですが、それよりもきちんと最後まで録音できたかが大事なのです。
そのためには機材のことを知っていないといけないと言うことです。特にプロツールス、インターフェース、MADIやDANTEなどの規格、そして、何よりもPAさんとのコミュニケーション。特に初めましてな現場は「こちらが現場にお邪魔する」意識をしっかり持たなければなりません。製作者、演奏家は録音したくて私たちを呼びますが、PAさんはいつもと違う「来客」に戸惑いを隠せないです。(最近はライブ録音も増えたのでそのようなことも減りましたが。)
セッティングからリハまで済ませ本番を迎えるこのタイトな時間の中で、トラブルは最小限に抑えたいもの。なので事前の準備がすごく大切になってきます。しっかり編成も聞いて、それに対してどこまでセッティングするか。を考えます。
スタジオレコーディングは作品をオーディエンスがいないところで1日かけて作っていくので、ライブとはまた違うところに目を向けなければなりません。
楽器も場合によっては録音の最中に増えていくので、その都度マイクを考えてセッティングするなどの時間が必要になります。こちらはこちらで機材の知識が必要になります。マイクプリは何にするとか、コンプは何にするとか。時間勝負なのは間違いないですが、ライブレコーディングのように「最低限しっかり録れれば良い」よりももう少しだけ音質に対して考える時間が用意してもらえるのは事実です。
最近ではライブレコーディングに特化したエンジニアさんもいます。私はどちらも経験したことがあるので、ある程度の知識はありますがどちらかといえばスタジオの方が詳しいかもですが、最近色々と知り合いに話をしているとやはり生きてきて仕事してきた経験は大切だなと思います。