私はインターフェースにFocusrite Clarett 8PreXを使っています。Airモードというのがあるのですが、今までキラリとしてちょっと使いづらいなと思っておりました。が、よくよく調べてみるとその特性を考えて使えばこのAirモードも良いことに気がつきます。そのことについてお話ししようと思います。
説明書にもなかなか"ざっくり"しか書かれていないこのAirモード、書いてあるのは「Focusriteのスタジオコンソールに搭載されているクラシックなISA 110マイクプリアンプをエミュレートしたもの」と、かなり曖昧な感じで書かれています。上位機種のRedシリーズにもこの機能はついています。
で、実際調べてみると特に説明書のスペックシートにも触れられておらず、必死になって探していると、英語の説明書にはきちんと書いてありました。
Airモードの特性その1として、「入力インピーダンスが変わる。」Offの時の入力インピーダンスは6.2k Ωに対して、Airモードになると2.2k Ωになります。結構下がりますね。
Neveの入力インピーダンスで300Ωと1.2kΩ、ISA 110は1.4kΩ(他に600Ω、2.4kΩ、6.8kΩと選べます)なので、インピーダンス的にはISA 110の2.4kΩに近くなるのでしょうか。
なので少しミドルやローが出る感じになるのだと思います。
Airモードの特性その2は、「EQがかかり、10khzが+2dB、20khzが-2dBになる」これに関しては私はこの機能にオン・オフが欲しいなと思うこともありますが、要はこれをして"ISA 110にエミュレートした"となるのだと思います。
若干キラリと聞こえるのはこのことなのでしょう。
今私が分かっているのはこの2点になります。初めはとっつきにくいAirモードも原理がわかると「あ、そういうことか!」となり、懸念していたものも「ちょっと使ってみたい!」となりますよね。
実際先日のレコーディングで使ってみましたが、楽器によって、マイクによって使ってみて正解だなと感じることがあります。
しかも、全部にかかるわけではなく、個別にかけられるので使いたくないならそのチャンネルのAirモードはOffにすれば良いだけの話。そう思うと録音の時点でかなり色々な色付けもできます。思い通りの音にできるのではないかなと思うわけです。
もちろん、私もNeveのマイクプリも持っているので他のマイクプリを使って色々なもので色付けをしています。
どんなインターフェースでもきちんと特性を調べて自分で納得した上で使うことほど大切なことはないと私は思うのです。